ろうきん森の学校20周年記念イベント

ろうきん森の学校の20周年にあたり、記念講演会を開催しました。
2005年に開校した「ろうきん森の学校」は、2025年に20周年を迎えました。ろうきん森の学校は、今では全国に5地区(福島、富士山、新潟、岐阜、広島)あります。広島地区では、荒れかけた里山で森や施設を整備して、年間のべ3,000人が里山の恵を楽しむ場所になりました。昨年「環境省自然共生サイト」にも認定され「里山コモンズ」としての自然学校の役割が見直されています。今回の記念講演のテーマも「みんなの里山20年=さとやまコモンズ自然学校」とし、20周年を機に、ご関係のみなさまに改めて感謝をお伝えし、一緒にあゆみをふりかえり、未来の里山活用の姿を考える機会となりました。

〈講演1〉ろうきん森の学校 森・人・地域を育む全国の取り組み
ろうきん森の学校全国事務局であるNPO法人ホールアース自然学校の代表理事山崎宏さんをお招きし、ろうきん森の学校の全国の活動をご紹介いただきました。開校の経緯や活動の概要など基本的なところを話していただいたり、社会の流れと照らし合わせて森の学校の活動のあゆみを話していただいたりしました。

〈講演2〉ろうきん森の学校ひろしま地区の20年と今後10年
広島地区の活動について20年の実績を報告し、今後10年の展望についてもお話できました。
20年の活動で10haの里山を整備して、生き物調査を続けてきました。たくさんの方のご支援ご協力により、自然共生サイトにも認定されたこともご報告しました。
また、20年の活動を「さとやまコモンズ自然学校」という視点で捉え、今後10年の展望も「さとやまコモンズ自然学校」の3つの柱としてご紹介しました。
〈まなぶ〉
自然体験から学び里山の価値に気づく、オルタナティブな学び、ワークショップで創り出す
〈まもる〉
里山の生態系を見守りながら手入れする、ボランティアによる定例活動、企業・地域との協働
〈つかう〉
里山の恵みを活用するライフスタイル、ものづくり・自然調和型拠点づくり・レジャー・食

森の学校活用関係者リレートーク
森の学校活用関係者ゲストトークとして、4名の方に活用事例をお話していただきました。
①福屋労働組合 常政書記長
企業の労働組合で森の学校を活用する事例をお話していただきました。福屋労働組合は、2011年から新入職員研修で利用していただいております。室内での研修に加え、カヌー体験やアースウォークなど森での体験、里山整備の体験をしていただいた年もあります。森の学校は、企業の研修の場としても使っていただいています。
②広島女学院大学 村上智子教授
幼児教育を学んでいる学生とイベント型の森のようちえんを企画運営しています。2018年から広島文教大学と広島女学院大学とひろしま自然学校の3者で始まったプロジェクトです。学生が幼児親子が1日森で体験する場を企画し、実際に運営をしていきます。大学で学んでいることを活かし、実際にやってみることで「子どもを理解する力」「子どもや保護者との関係を構築する力」「自然体験活動を運営する力」等の力が育っていきます。このように参加者だけでなく、これからの社会を担っていく大学生の育ちの場ともなっています。
③フリーキャンプ初代参加者・環境教育ボランティア 西綾奈さん
子どもの時に夏の長期キャンプに参加したことがきっかけで大人になった今も森の学校に関わり続けている西さんにもお話いただきました。小学生の時にキャンプに参加し、高校生大学生でもボランティアスタッフとして関わり、大人になってからも森の学校を支えてくださっているお一人です。今までの経験や今子育て世代になって思うこと等を話していただきました。
④労働金庫連合会 糸谷元志 相談役
広島地区は、山を切り開き施設を一から作るところから始まりました。糸谷相談役は、その開設当初から関わってくださり、東京から広島まで何度も足を運んで活動を支えてくださいました。広島地区の最初の姿を知る、そしてこの森の学校の20年のあゆみをよく知るお一人です。


参加してくださった方の感想
「開校の経緯を改めて聞き、この20年間ろうきんと自然学校が永く続いている要因だと認識しました。」
「森や自然に触れる活動を新人研修で使うのは良いことだと思いました。」
「保育者育成で子供と関わる側の育成はとても大事であり、ぜひこの環境を上手く活用いただきたいと思います。」
「自然の中で五感をを使って学べるところや、子供達が遊びや体験を通じて生きる力や協調性や想像力を育む事ができるんだといったところが印象に残りました。」
など具体的に森の学校の意義や価値を感じていただく機会となったように思います。
また、
「せっかくあるろうきん森の学校を利用することが、森、人、地域を育み、ひいてはCSRを果たすことを可能にするのだと知りました。」
「新人研修が利用することで、社会人としての活動などに活きてくるのではないかと思います。」
など今後の活用や可能性を考えてくださるお言葉もたくさんいただきました。
たくさんの方にご支援いただき20周年を迎えることができました。今後もみなさんの共有財産として活用していただく「さとやまコモンズ自然学校」を目指して活動を続けていければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

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