2020年度

2020年は、新型コロナウイルス感染症が世界中で流行しました。
自然学校でも大きな影響を受け、活動が大きく変化した1年でした。
特に3月~6月にかけては、事業の中止や延期、休業などで活動はほとんど休止状態となりました。
そんな中でも、7月から少しずつ事業を再開し、検温・消毒・3密回避などの対策を取りながら、
小規模での事業実施やコロナ時代に対応した新しい事業にチャレンジしました。
その中でも特に家族を対象とした事業が増えました。
コロナ渦で、なかなか外に出られない状況が続きストレスがたまる一方、
少しでも家族で安心して外に出られる機会を作りたいとの思いで実施しました。
1日森の学校でゆったり家族の時間を楽しむ”ファミリーデイキャンプ”、
1泊2日でテントに宿泊し、森の体験や家族の交流を楽しむ”ファミリーサマーキャンプ”等を
定期的に開催しました。
1年をふりかえると休業期間があったり、少人数での開催にシフトした関係で、
来場者数は半数程度となりましたが、新しい事業にチャレンジする機会となり、
事業数自体は例年より多く実施することができました。

年間活動利用者数

森を育む 人を育む 森で遊ぶ その他 合計
参加者数 22人 260人 618人 0人 900人
​従事者数 283人 81人 286人 0人 650人
合計 305人 314人 904人 0人 1,550人

カヌー小屋ができました!

「森を育む」活動では、里山の保全やフィールドの整備活動を行っています。
コロナの影響で毎週木曜日に森の整備や生き物調査を行う「平日作業隊」を始め、様々な活動が休止、中止となりました。平日作業隊の人数も173人と昨年の半減近くなりました。そんな中、地域の方やコベルコ建機労働組合にもご協力いただいて毎年行う「森の学校一斉草刈り」等はなんとか活動することができました。作業隊の方も個人で来てくださり、せっせと薪割りをしてくださったり、フィールドの整備をしてくださったりしました。今年は、カヌー小屋が完成!収納スペースも広がりました。
生き物調査等も含め、森を育む活動に関わってくださった方は、延べ305人となりました。10haと職員1人では整備しきれないフィールドですが、このようにさまざまな方や団体に里山保全・整備活動に尽力していただいています。ればと思います。
平日作業隊は、今年は延べ324人となっています。また、森の整備作業と並行して里山の生き物調査も行っていますが、延べ195人が携わりました。

1 基礎インフラの整備実績

■カヌー小屋



2 散策路の整備実績

現在、散策路は全長4km程あります。散策路の草刈りや橋・階段の補修などを行いました。

3 森林の整備実績

森の学校には、アカマツがたくさんありますが、松枯れの影響でどんどん枯れていっています。また、今年はナラ枯れの様子も見られ、アカマツやコナラ等の伐採を行いました。
里山の環境を保持していくためには下草刈りもかかせません。地域の方、ボランティアの方、様々な方に関わっていただき、定期的に行っています。

​4 動植物調査実績

里山モニタリング1000の調査とセンサーカメラによる調査を行っています。

企業の職員研修の受け入れも行いました!

今年は、企業の職員研修でも森の学校を使っていただきました。研修は講師から一方的に講義をするのではなく、参加体験型で行っていきます。今回は、会社の理念を作るチームが結成され、研修に来られました。環境を変えることで、話が広がったり、新鮮な気持ちで考えられたり、仲間の新しい一面が見えたり…、いつもの会議では出なかった意見やコミュニケーションが生まれます。また、自分自身をふりかえる時間をとり、会社のことを自分事として考えていただくよう2日間かけて行われました。次には、この理念をどう社員に伝えていくか、今後どう形作っていくかを役員のみなさんや職員研修の担当部署の方と考える研修を行いました。

その他にも、地域づくりを担う人材の育成を目的に実施しているコミュニティワーカートレーニングでは、「基礎から学ぶファシリテーション」をテーマに実施。アースキーパートレーナー3期生の募集・研修も行いました。また大学生のリーダー養成でも、新しいメンバーが増え、色んな大学、学部の学生が集まりました。話が盛り上がり、それぞれが刺激し合える関係性が出来つつあるようです。

​ 人を育む活動は、スタッフも合わせ延べ341名の方が関わっていただきました。

1 人材育成の実績
【主な人材育成の実績】
■環境学習リーダー ■アースキーパー・トレーナー ■ユースボランティア
■森のようちえん運営ボランティア ■コミュニティ・ワーカー

■環境学習リーダー
地球教育プログラム「アースキーパー」の指導者養成に取り組んだほか、受託などにより環境学習リーダーの養成に取り組んだ。



■ユースボランティア
大学生のボランティアグループの養成。春先に2泊3日の集中トレーニングを行い、その後OJTなど年間を通して育成に取り組んだ。



​■森のようちえん運営ボランティア
幼児教育を学ぶ大学生を中心に募集し、親子を対象としたイベント型森のようちえんを企画・運営する人材の育成に取り組んだ。



​■コミュニティ・ワーカー
持続可能な地域づくりのための地域コーディネーションスキルの向上を目指して、継続的に実施。



家族向けの新しいプログラムも行いました!

昨年から家族向けのキャンプを始めましたが、今年はコロナの影響もあり、より家族を対象にしたプログラムが増えました。冒頭にも書いた通り、日帰りの”デイキャンプ”や1泊2日の”ファミリーサマーキャンプ”等を定期的に開催しました。人数も1日3組限定とし、それぞれのテントサイトで過ごしていただきました。

また、大人女子のリフレッシュキャンプも今年は開催しました。コロナの影響で生活環境がガラッと変化し、ストレスや悩みが増えた方も多いと思います。「リラックス・リフレッシュ・リフレーム」をテーマに自分自身を紡ぎ直す2日間となりました。コロナ渦に限らず、少し立ち止まって自分をふりかえり、自分自身と向き合う時間はすごく大切な時間だと思います。ついついないがしろにしがちな時間私も意識して持つようにしています。

その他にもたくさんの事業を実施し、コロナ渦ですが、多くの方に森に足を運んでいただきました。詳しい内容やちょっとしたエピソード、その時感じたことなどをホームページのブログにも書いていますので、ぜひご一読ください。森で游ぶ活動は、延べ904人の方にご参加いただきました。

1 プログラム開発・実践の実績
【主なプログラムの実績】
■森の妖精くらぶ ■ファミリーキャンプ ■もりの体験隊
■きたひろパン研究会 ■大人女子リフレッシュキャンプ
■森の学校フェスティバル ■地元との連携事業 ■企業研修・イベント

■森の妖精くらぶ
広島文教大学と広島女学院大学と協働して、3〜5歳の未就学児童と保護者を対象に森のようちえんを開催。子どもたちが森で感性豊かに遊べる自然遊びを幼児教育を学ぶ学生と考えて実施。子どもと大人が別々に過ごす時間も。



■ファミリーキャンプ
新型コロナウイルスの影響で家に引きこもる時間が多くなってしまった人に、少しでもリフレッシュしていただきたいという想いから、森の中でやりたいことができる時間、家族でゆったりできる時間としてファミリーキャンプを開催しました。デイキャンプ、夏休みは宿泊キャンプを実施。



■もりの体験隊
森のミッションで、カヌー体験、木工クラフト、藍染体験、生き物探し、夜の森体験など様々な体験を行い、生き物とのふれあいを楽しんだり、自然を多様な視点から見つめる1泊2日の宿泊キャンプ。小学3年生〜6年生が対象。文部科学省「子供たちの心身の健全な発達のための子供の自然体験活動推進事業」として実施。



​■きたひろパン研究会
小麦プロジェクトと並行して行っています。自分たちで小麦の植え付け、麦踏み、収穫、脱穀を行い、月1回程度パン研究会で石窯ピザ・パンの加工に挑戦しています。季節にあった食材を用い、試行錯誤しながら行っています。



■大人女子リフレッシュキャンプ
散らかった自分を再編集する2日間。“リラックス・リフレッシュ・リフレーミング”をテーマに森の中で心身を開放し、自分自身をつむぎ直す時間。自然と調和した暮らしを楽しんでいる素敵なゲストの生き方にふれることで、これまでの自分をふりかえり、未来に向けてやる気やエネルギーを高めます。



■ろうきん森の学校フェスティバル
広島県労働者福祉協議会と中国労働金庫と連携し、年1回森の学校を開放して多くの市民の方に森の学校を知ってもらうためのイベントを開催。






■地域との連携
地元自治会等と連携し、フィールドの一斉草刈り活動を実施。今年度は、地域づくりセンターと共催で「おでかけ公民館」を実施。男の料理教室の方たちがこちらに出張してきたり、森の学校近くの地域の方が集まり、私達が収穫した小麦の脱穀を手伝っていただいたりしました。






■企業研修・イベント
企業の職員研修や企業のお客様向けの自然体験イベントの受け入れを実施。また、年に1回の一斉草刈りに里山保全ボランティアで来ていただきました。